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【スノーボード】ワックスの話:溶ける温度って何度?【その2】

おはようございます。

今朝はワックスの話です。
ワックスが解ける温度についての実験第、第2弾です。

結論だけ読んでいただければ満足です。

【スノーボード】ワックスの話:溶ける温度って何度?【その2】

結論

ガリウムベースワックス・エクストラベースバイオレット・ブルー・グリーンを追加で熱重量示差熱分析を行いました。
ベースとバイオレットは110℃付近で完全溶解し、160℃付近で重量減少がみられました。
そのため110~120℃でワックスを入れるとよいです。
ブルーは少し高い温度で完全溶解しました。
しかし重量減少は見られなかったので、高温でも安定であることがわかります。
とはいえ、115~130℃の範囲で使用することを推奨します。
またグリーンは明らかな高温でしか融解しません。
130℃でアイロンをかけることをお勧めします。

詳細は下に書きます。

実験

ガリウムベースワックス・エクストラベースバイオレット・ブルー・グリーンをそれぞれ15mg程度取って20℃から200℃の変化を確認した。

使用した装置は熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)です。

結果

ベースワックス

76℃時点でほとんどの融解が確認できるのですが、100℃付近で揺らぎがみられ、110℃で安定になっています。
そのため、110℃以上で完全溶解していることがわかります。

重量変化は145℃付近から起きています。
そのためそれ以上の温度だと他の物質になってしまう可能性があります。

110~120℃の範囲で使いましょう。

エクストラベース バイオレット

81℃時点でほとんどの融解が確認できるのですが、100℃付近で揺らぎがみられ、110℃で安定になっています。
そのため、110℃以上で完全溶解していることがわかります。

重量変化は160℃付近から起きています。
そのためそれ以上の温度だと他の物質になってしまう可能性があります。

110~120℃の範囲で使いましょう。

エクストラベース ブルー

93℃時点でほとんどの融解が確認できるのですが、100℃付近で揺らぎがみられ、113℃で安定になっています。
そのため、115℃以上で完全溶解していることがわかります。

重量変化は起きていません。
今までのワックスとはDTAの挙動が異なり、完全融解するまでより高温が求められます。
110℃では十分に溶けていない可能性もあります。

115~130℃の範囲で使いましょう。

エクストラベース グリーン

他のワックスと違い大きなピークが128℃まで続きます。
130℃付近でないと完全溶解しないことが確認できます。

重量変化は起きていません。

触感なのですがご存じの通りかなり硬いです。
また、130℃でないと溶けないので、ソールにぽたぽた垂らす方法は向かないと思います。
アイロンをなでるだけでは溶けないのでワックスに引っ掛かって、ソールが必要以上に熱くなってしまう可能性があるからです。

130℃ぴったりで使いましょう。

まとめ

今回はガリウムのベースワックス・エクストラベースバイオレット・ブルー・グリーンについて融解温度を確認しました。
まとめの表は下の通りです。(ピンクも入れておきます)
ワックス 溶ける温度 上限温度 推奨範囲
ベース 110℃ 120℃ 110~120℃
ピンク 106℃ 120℃ 110~120℃
バイオレット 110℃ 120℃ 110~120℃
ブルー 112℃ 130℃ 115~130℃
グリーン 128℃ 130℃ 130℃

ワックスって○○度以下とは書かれているのですが、何度から溶けるのかは不明ですよね。
今回のデータを参考にホットワックスを入れていただけたらと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。